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黒田監督の守備的采配で追いつかれた国立東京クラシック!同点でもゼルビアが守りに入った理由

2023年7月10日

アオキ

ライター・作家として活動中。当サイトでは個人の感想や見解などを書いています。

国立東京クラシック

FC町田ゼルビアと東京ヴェルディによる国立開催の東京クラシック、僕も国立共闘しました。

トレーニングをする町田の選手たち

現地の雰囲気は最高でしたね!

ダゾーンでも見返しましたが、どよめきとかまるで代表戦のそれ。

なのであまり水を差したくないのですが、この記事ではピッチ内のことをいつも通り振り返ります。

国立競技場で現地観戦した感想はこちらの記事へ

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黒田監督の守備的采配で追いつかれた

この試合、町田は後半7分に荒木を入れたところでシステムを変更

343で奥山がCB。平河・翁長はWB。荒木・藤尾がシャドーでエリキ1トップ。

フォーメーションのイメージ

※フォーメーションのイメージ図

この采配、黒田監督的には上手くいっていたようです。

ただ、僕はこのシステムがよくなかったのではと

勝ち急ぎ過ぎたというか、守備に入るのが早すぎたと感じます。

平河がサイドを守り切れず

平河にサイドバックは厳しい。

スピードとタックルはありますが、奥山に比べれば粘りが足りない。

前を向かせない守備、ができていないんですね。やはり守備の選手ではない。

ドリブラーには簡単に突破されます

そのドリブラー、新井悠太を放置し続けたのが失点の理由の1つでしょう。

あそこに奥山を当てていれば失点のリスクを下げられたと考えます。

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ヴェルディのサイド攻撃を放置しすぎた

町田の守備はハッキリしていました

試合前にエンジンを組む選手

クロスは上げられてもいいから中を締めて跳ね返す。

これが前半は中盤の強度があったので上手くハマっていた。

セカンドやこぼれを松井らが回収して、前へつなげていた。

でも回収役の松井などが下がって強度が落ち、CBのスタミナが落ちると防戦一方の状況は苦しくなる。

荒木と平河の守備の連係が悪く、サイドで数的不利の状況をつくられて守備の適正が低い平河がそこを処理

町田の右サイドは実質フリーゾーンでした

予想以上にクロスが上がって耐えられらなかった印象です。

シャドーで機能しなかった荒木

荒木が攻守で微妙でした

シャドーで何をすればいいのか、迷子になっているように見えた。

おそらく中を締めることを優先していたのでしょうけど、それでサイドが手薄になっていました。

守備でもあまり効果的ではなかったので、この辺は指示不足なのか、それとも適性がないのか。

まだ荒木をWBにして平河をシャドーに置いた方が、荒木はやりやすかったのかなと。

守りの3枚交代から2失点目

黒田監督の守備的に入ってから失点するパターンに残念。

徳島戦や水戸戦に続き、またかと。

確かにあの時は退場者がいたりスーパーゴールだったりと、不運に見えるが実際は反省点がある。

徳島戦
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今回もそうだ

交代から6分後に失点しているのだから、この交代策は裏目に出たと評価するしかない。

病み上がりの宇野と稲葉の同時投入で中盤の強度低下

試合前にハイタッチをする選手試合前にハイタッチをする選手

宇野からすれば難しい場面での復帰だった。

教え子だからやれると期待もあったのかもしれませんが、まだ様子を見て残しておくべきだったと考える。

とはいえ黒田監督の狙いもわかる

稲葉・宇野の刈り取り役を同時投入して中盤の強度を上げにいったのだろう。

だが、あそこから町田は中盤でも自由にボールを回されている

ヴェルディの技術あるパス回しに、刈り取り役の二人が翻弄されていた。

刈りどころが見つからなかったのだ

とはいえ他にボランチがいないのも事実ではある

松井くんは前半からとばしていたので疲労も限界、下げるしかない。

藤原をボランチに上げるという代案

代案としては藤原をボランチに上げて、グティをCBに入れるとか。

つまり松井は稲葉下田に代えてグティ藤原を下田の位置に入れて稲葉とのWボランチ、グティはCB

フォーメーションのイメージ

※ついでに平河シャドウで荒木WBです

すると奥山も残せて、新井に当てられる

平河は守備のタスクが減るし、荒木の運動量とフレッシュさで右の強度を保てる気がします。

そして宇野はまだ入れない

点を取られた場合(沼田用)にカードを1枚備える。

結果、同点の場面で黒田監督は中島を入れたわけですが、これは守りの交代策と思います。攻めるなら沼田なので。

なぜ点を取りにいかなかったのか、現地では疑問でしたがダゾーンの会見で理由が見えました。

黒田監督が同点でも守りに入った理由

東京クラシック試合終了後

結論からいえば、国立の東京クラシックも42分の1として冷静にとらえていたからです。

長いリーグ戦の1つとして考え次につなげる。そういったことを黒田監督は答えていた。

会見の黒田監督は冷静でした

確かに感情を抜けば、この素晴らしい舞台の試合も42分の1でしかありません。

次を考えた場合、長期的に順位を意識した場合。

ここで勝ち点3を相手に与えるリスクを取ってでも勝ちにこだわるか、それとも差を現状キープするか。

黒田監督は最もリスクが低い策を冷静に選んだのです。

黒田監督は最も負けない選択肢をとった

この試合、負けても不思議ではありませんでした。

チームの体を張ったブロック。ポープの神セーブも限界に感じました。

それくらいヴェルディは押せ押せの展開でしたし、例えば僕の代案通りの采配で沼田を入れて攻めに出たら負けていた可能性もある。

でも黒田監督は負けなかった

同点に追いつかれたのはプランとして失敗ではあるが、それでも最低限の結果を出した。

ほんと、名将です。感情ではなく冷静に思考して采配ができたのですからね。

最後のエリキのシーンも決まっていれば勝っていたわけですから、引き分け狙いの策は良かったわけです。

国立東京クラシックは決勝戦ではなくリーグ戦の1つ

負けたら終わりのトーナメントと、負けても続くリーグ戦

これらをしっかくり区別して黒田監督は戦っているなという印象です。

もしトーナメントで今日の采配をしたら最悪でしょう。なんで攻めにいかないんだと。

PK狙いなら別ですが、それでも延長に入るはるか前から守りに入りすぎです。

感情的には天王山・国立と最高の舞台なので決勝と変わらない気持ちで臨んだ人もいるでしょう。

でも、黒田監督は冷静なんですね

引き分けは悔しいが、負けないことが大事。

振り返ると、リーグ戦の戦い方としてベストな采配だったのかもしれません。

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黒田ゼルビアの良かったところ

言わずもがな松井蓮之は最高。

安井も良かったですね

個人的にはようやく黒田ゼルビアの選手になってきた藤尾も良かったと思います。

攻守の要だった松井蓮之

松井蓮之、大宮戦から評価を高めていますがこの日のヴェルディ戦もキーマンでした。

守りで体を張りますし、1度振り切られてもまだプレスしますし、ボールの回収もして大活躍。

ゼルビアが前半守りきれたのは松井くんが縦横無尽に、攻守に活躍していたからですね。

彼がもし90分プレーできれば、後半も強度を維持できれば、勝っていたのではないか。

それくらいの存在感でした

2得点に絡んだ安井拓也

先制点の場面も安井がエリキに裏へのパスを出しましたし、2点目もよくゴールの隅へ流しました。

こんな試合で初ゴールなんて、安井は持ってますね

見る度に成長が感じられるので、まだクオリティが高まる選手だと思います。

闘志が見えた藤尾翔太

ゼルビアに来た頃の藤尾は、良い意味でも悪い意味でもセレッソの選手でした。

綺麗なプレーをするし上手い

けど、もうちょっと守備頑張ってほしいし、諦めない姿勢を見せて欲しいと感じていた。

レンタルだから仕方ないかと諦めていたんですが、ここ最近プレスや競り合いでも気持ちが感じられます。

そして今日はサポーターを煽って、プレスもしつこいくらい

ゴールが彼の気持ちにスイッチを入れたのかもしれませんね。

毎試合これくらいやってくれればシーズン終盤はデュークからスタメンを奪っている気がします。

デューク・池田不在の中で逆転を許さなかった成果

試合前に並ぶ選手たち

ゼルビアが持つ本来の空中戦の強度はもっと上

そんな中でもクロスを何本も処理して、2点を先制したのは大きい。

翁長のロングスローもこの日は1本でしたかね?

、相手のコーナーは9本もありました。こちらは1本。

よく凌いだと評価していいでしょう。

感情的には勝ちたかったですが、それでも2位と勝ち点10差を維持。

難しい展開の中、よく逃げ切ったとも言える。

警告も0ですからね

長期的な視点でいかに冷静に戦うかが、大事だなと学びになりました。

町田市のコレオに感謝

町田市のコレオ

自分は誇らしく感じました。

笑うやつらは笑わせておけばいいです

これからクラブと共にコレオも大きく、サポーターも成長していきましょう。

ゴール裏のみなさん、ありがとうございました!!

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