レビュー 雑記

東野圭吾の放課後は小説としてはつまらないかも。でもラスト3ページまで読む価値あり

東野圭吾 放課後 感想

アオキ

ライター・作家として活動中。当サイトでは個人の感想や見解などを書いています。

東野圭吾先生の放課後を読みましたので感想をネタバレや、作家視点も含めて書いていきます

小説 放課後
放課後 単行本

移動中に読んでいたので使い込まれた感があります

東野圭吾の放課後

ガリレオシリーズで有名な小説家、東野圭吾先生のデビュー作が今回読んだ『放課後』です。

主人公は数学の教師アーチェリー部の顧問でもある。

理系の先生ってことでガリレオ味がありますけど、あんな黒板アートは書きませんw

放課後はそんな彼が身の危険を感じるところから物語が始まるのですが、正直小説としてはつまらないかもしれません。

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放課後は小説としてはつまらないかも

なぜ放課後が小説としてつまらないのか、それは魅力が少ないから。

ところで小説の魅力ってなんでしょう

僕は1つに、文章の表現だと思っています。

詩的な表現がたまに見られる。それが小説の魅力ではないかと。

文字と文字を組み合わせて、まだ見ぬ言葉・文章を表現することが小説の魅力だと感じています。

しかしこの放課後にはそれがありません。少なくとも僕はそう感じました。

だから放課後は小説のわりに文章が淡白なんです。

放課後は文章が淡白

読んでいて景色や情景は浮かびます。舞台の学校や、部員の様子想像はできます。

しかしどこか全体的に冷たい、暗い印象です。

まあ、人が死ぬ推理物ですから明るくしろとは言いません。けど、もう少しキャラクターから生きてる感じが欲しい。

言ってしまえば演じてる感があるんですよね。セリフが棒読みというか・・・伝わりますかねw

また、設定上仕方ないのかもしれませんが語り手の主人公が地味で淡々としていて、読むのが疲れます。

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放課後は主人公に魅力がない

読者をリードするタイプの主人公ではないんですよね。キャラクターとしても魅力がいまいち。

放課後の主人公はモブっぽいキャラです

だからこそ周りの刑事や部員、教師のキャラが引き立つとも言えますけど。

放課後は読む価値あり

放課後は小説としてはつまらない。魅力が少ないと思いました。

それでも僕はラスト3ページの展開にやられました。

おそるべし東野圭吾先生

放課後は読む価値ありと言えます。特に今まで推理小説を読んだことがない人はね!

放課後は長編小説としての完成度がすごい

放課後って長いです

あ、ページの話ですよ?350ページくらいあります。

魔法が出てくる冒険物とかならまだしも、推理で300ページって書くのもハードモードだと思うんです。

それだけ長いと伏線はもちろん、展開、そして言わずもがなオチが重要です。

けれど推理小説って事件が起きたらずっと話題がそれですから、ずっと同じ画なわけです。

それを「犯人が気になるから」ってオチだけで読ませた完成度はすごいと思いました。

皮肉ではないですよ!?

放課後のラスト3ページの衝撃

放課後の小説としての完成度の話の続きですけど、これは小説そのものにもトリックが仕掛けられています。

トリックとはネタバレすると『裏切り』です

まあ、よくあるパターンですけどもただ、あらゆる裏切りがこの放課後という小説には仕組まれています

それが最後の3ページでクライマックス

僕には「こいつ犯人だろ」ってキャラがいました。しかしそいつは関係なかった。「さすが東野圭吾先生、あの演出はミスリードだったか」と思った矢先のラスト3ページの展開。これは衝撃でした。

もうね、読んでくださいw

放課後は昭和60年の小説

下手したら放課後のラスト3ページ以上に驚いたのが、発行された日付です。

なんと1988年昭和ですよ!?ソビエト連邦があった時代です。ミャンマーもビルマと呼ばれていました。

てか、僕生まれていませんw

なぜ放課後が昭和に発行されたことに驚いたのかというと、別に令和の今読んでもどこにも昭和らしさがないから。

良い意味で古さがないんです!

登場する女子高校生もむしろ今風なんじゃないかと感じました。

どうしてもその時代を象徴するような言葉や道具ってあると思うのですが、放課後はどの時代の読者も違和感なく楽しめると、感じました。

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