J2リーグ第32節FC町田ゼルビアと、モンテディオ山形のマッチレビューです。
最高の勝利で言うこともないですが、「勝って兜の緒を締めよ」ということで、冷静にいろいろ書いていきます。
前節の記事はこちら:黒田ゼルビア必然の逆転負け!黒田監督の弱点『アクシデント』で流れを渡した清水戦
エリキ不在の黒田ゼルビア
エリキの不在は黒田監督も言っていましたが、本音を言えば不安。
でも、町田には素晴らしい攻撃陣がいるのをみなさん分かっていたはず。
だから外野が言うほど絶望的でもないし、ここから転落とかまでは考えなかった。
考えたとすれば、
パス1本で点は取れないかな〜とか
あの速さはなくなるなとか
じゃないかな。
でもパス1本で点取れましたし、エリキほどでないにしても沼田のスピードを再確認できた。
"5連勝の山形"から"今季最多5得点"
にしても5点取るとは思わなかった。
前回アウェイで山形とやったときはエリキが2ゴールで3得点だったので、今回は取れても2点とかそんなもんかなって。
でもエリキ不在なのに5点も取れた
その理由として明確なモノを1つ、僕は感じたのでそれを書いていきます。
エリキという分かりやすい驚異がなくて山形は守りにくかった
まず相手の気持ちからすると、エリキは分かりやすい脅威・潰しどころです。
エリキをとにかくマークして、仕事をさせない。
言ってしまうとDFは自分たちの仕事が楽です。チームとしても守りやすい。
町田もそれを承知でエリキにボールを集めますからね。
守備としては狙いがはっきりしていてやりやすいでしょう
しかし、エリキがいない町田は飛び抜けた脅威がいなかった。
すると相手DFとしては気にするところが増えます。
町田のフィニッシュとしての手札が読みにくい状況ですね
だから守るのは、実はエリキがいるときよりも複雑化していて、難しかったと思います。
流動的になった町田攻撃陣
エリキがいれば町田の攻撃ははっきりしています。
エリキを中心に攻めを考えます
だから攻める形もあまり崩しません
しかし、エリキ不在になると、選手たちは誰もがフィニッシャー・チャンスメイカーになる必要がありました。
だから藤尾もデュークも普段よりサイドに流れたり、ボランチもエリア内に入ってきたり、とにかく選手の動きが比較的自由になりました。
これは守る側からすれば混乱するでしょう
おそらく山形DF陣は町田に想定外の動きをされたと思います。
「そんなの聞いてないよ」みたいな動き・攻めをされた結果が町田の最多得点に繋がったかもしれません。
宇野禅斗のイエローは反省点
宇野はイエローもそうですが、あわや失点につながりかねないロストがありました。
これは今回に限ったわけでもありません
もちろん全体的に見ればセカンドボールへの反応など、良いところはあります。
しかし、松井くんのカバーやDFの奮闘がなければ失点していたかもしれません。
そしてあのイエローはレベルが足りていないことを象徴しているのかなと。
そろそろスタメンで使うべきか、本気で考えるときに来ているでしょう。
宇野の代案は?
安井、下田、稲葉などがいるわけですが僕は安井を推します。
正直、個人的な評価では下田が上です
また、宇野と同じ役割なら稲葉でも良いと思います。
ですが、安井ももう少しプレイ時間を与えたいなと。
下田・稲葉は見れているので、ポテンシャルを感じる安井も長く見たいと思います。
松本大輔・1点物の好セーブ
バイロンが移籍後初ゴールを決めたのもめでたいですが、松本くんが1点物の好セーブをしたのもDFとしては、嬉しいでしょうね。
まだどのような選手かわかりませんが、サイズがあり中盤やサイドでもやれそうなので楽しみです。
あのようなカバーができるのは危機察知力やカバー能力も高いので藤原の代役として良さそうですね。
もちろん2人でコンビ組んでも良いですけど
ベンチでもピッチでも大悟はチームのために戦う
藤尾のPKが決まった時、大悟がエリキのユニを掲げているのが印象的でした。
彼はこれまでもベンチにいても常にチームのために、自分ができることをしていましたが、今日は感動しました。
そしてピッチでもあのヒールアシスト
大悟はどこまで視野広いのか!!
あれはシュートを打つと思っていたので騙されましたw
といっても自分でも打てたと思います、だけどチームのためによりゴールの確立が高い藤尾を選んだのでしょう。
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キックが安定していた守護神福井
福井は今季のリーグ戦初出場。
どうなるか不安でしたが、結果からすれば頼もしいプレーでした。
ビッグセーブはもちろんですが個人的には、キック精度が良いなと
ポープは最近キックが雑なように感じていて、ラインアウトや相手ボールになってしまうことがあった。
福井は緊張もあったのでしょうけど、大きなミスなく正確なキックを蹴っていた印象です。
次節以降も見てみたいと思わせてくれました。
攻撃は最大の防御か?
今日のクリーンシート達成の理由に、攻め続けたことが1つあると思います。
高いラインを維持しつづけた攻めの守備が、最多得点にもつながりましたし、町田の攻めの時間が増えることで攻められる時間が減った=守りやすかったのはあるでしょう。
天皇杯のマリノス戦に似ていましたね
関連記事:黒田ゼルビア『攻めの守備』で王者を圧倒!国立の反省を生かした勝利
今日は引いて守っても前にエリキのような1人で点を取れるスーパーマンがいませんから、そのような攻めの姿勢を維持したのではないかと考えます。
黒田監督はおそらく1−0で勝つサッカーを理想としているので、横綱相撲というか受けて立つ戦い方・引いて守りきりたいかもしれませんね。
ただ、今日のように相手や状況に合わせて柔軟に戦えたのは、黒田監督ら首脳陣の引き出しが増えたのを感じました。
町田ゼルビアが最高の勝利を掴めたわけ
一言でいうなら「気持ち」でしょうね
エリキのために勝ちたい!
俺がチームを勝たせる!
なにがなんでも失点しない!
その気持ちが、90分以上途切れなかったことが最高の勝利につながった。
スタッフもファンもサポーターも含めて1つになったのが、町田を強くしました。
元々のポテンシャルが高い選手たちですから、試練を越えるたびに成長しますね。
今後も楽な試合は1つもありませんが、一戦一戦、集中していきましょう!