J2リーグ第33節、ザスパクサツ群馬0-0FC町田ゼルビアの試合。
今回はレビューといよりも、なぜスコアレスドローのこの試合が「面白い」と言われているのか解説します。
1点も入らなかった群馬戦がなぜ面白いのか
結論から言えば、最後までどっちが勝ってもおかしくない試合内容だったから。
おそらく群馬戦はサッカー通好み、玄人好みの試合でした。
たぶん、点がたくさん入った山形戦の方が子どもたちや、普段そんなにサッカーを見ない人にとっては面白かったと思います。
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だから、群馬戦が「つまらない」と感じても不思議じゃないです。
僕もこういう試合は久々に見ました
ここまで両チーム素晴らしい試合は滅多に見られません。
町田のハイプレスと群馬の3CBの攻防が面白かった
この試合最大の見どころはGKからボールをつないでパスの出しどころを探す群馬のCB(DFライン)と、それを奪おうとする町田の前線の攻防です。
なぜここが面白いのか。それは、次の瞬間にはゴールが生まれる可能性がある場面だから。
仮に群馬のCBがボールを奪われたら、それはもう言わずもがな町田の大チャンスです。
もちろん逆も然り
町田はプレスをかわされたら、外されたら大ピンチ。ハイラインの裏や中盤を自由に使われて群馬のゴールに繋がるでしょう。
以上のように、一見ゴールからは遠い場面に見えるんですが両チームにとって実はゴールの直前になりうるプレーだったんです。
この攻防を制した方が勝つと言っても過言ではない「群馬のパス回しと町田のハイプレス」がこの試合のほとんどの時間を占めていたので、点が生まれなくても見応え十分だったわけです。
ミスが許されない90分だったから面白い
群馬はパスをミスしたら町田に奪われる。町田はプレスの連携がズレたら相手に攻められる。
と言った感じで、ミスが許されない90分でした。
特に群馬の方は町田のハイプレスを誘いながら、いなしながらパスを回すので僕が群馬サポだったら常にドキドキでしょうねww
どちらかと言えば群馬の方がリスクのあるプレーをしていた
ただ町田にしてもプレスが剥がされたり、パスコースが空いた時には、もういっきに「ヤバイ!!」ってなるので、こっちも気が抜けなかったです。
つばぜり合いのように拮抗した試合だったから面白かった
述べてきたように群馬戦は、常に両チームにとってピンチとチャンスが混在する場面だったわけです。
刀と刀がぶつかり、押し合うようつばぜり合いのような拮抗具合でした。
一瞬でも油断すれば、隙を見せれば斬られる
得点こそなかったですが群馬も町田もいいとろこが出た試合で、ある意味相性のいいチームだったのでしょう。
今季見てきた人も、90分間通してこんな試合は初めてだったのではないでしょうか。
それくらい珍しい好ゲームだったと思います。
まるでドラクエのボス戦だった
ドラクエが分からない人向けに、まず手術で例えます。
手術ってミスが許されませんよね。この試合はそこまで大げさではないですが、両チームやっていることはかなり繊細で、1つのミスが命取りになる。そんな試合だったんです。
将棋なら1手先です
パスやプレスで常に交互に1手打つようにプレーしていたんですが、それも1つ打つ場所をミスったらいっきに王手になってしまう。そんな試合でした。
で、お待ちかね。ドラクエの例えですがww
ドラクエのボス戦も、レベル的に適性かギリギリくらいでいくと、1つの選択ミスったら大ピンチじゃないですか?
回復しとけばいいのに攻撃しちゃって、それで思わぬ反撃をくらって一気に劣勢になるとか。
あらゆる選択肢から1つを実行しますが、常に最適解を求められる。そんなターンが何十ターンも続いたこの試合はまさに、ドラクエのボス戦じゃねえかと・・・。
群馬戦こそエリキの”チータープレス”が必要だった
この試合でエリキ不在による本当の痛手を感じました。
それは得点力じゃないですね。プレスです
エリキはチーターのように一瞬で0から100になるスプリントがあります。その”チータープレス”があればもっとボールを奪えた場面があったように感じました。
実際今季はエリキのプレスによるボール奪取、相手のミスから得点は生まれています。
もしそのプレスがあれば、群馬戦でも有利を取れたでしょう。
次節は栃木戦。代表メンバーで前線は3人不在ですが、高澤やナカシ。あるいはアデミウソンの出場があるか!期待します。